ABOUT ME

「水彩の薔薇図鑑」について

数あるショップの中から、

当ショップをご訪問頂きありがとうございます。

「水彩の薔薇図鑑」という屋号で、

薔薇をモチーフにした水彩画の原画やグッズの制作、販売をしております。

おかげさまでアート系イベントやオンライン販売を中心に、

原画だけでも100点以上の販売実績があります。

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作品についてご質問等ありましたら、お気軽にご連絡ください。

記憶の扉をそっと開ける、そんな作品を作りたい。

花の香りに誰かを思い出し、
雨の音に遠い日の出来事が蘇り、
黄昏の街明かりに懐かしい場所を想起する--。

忙しない日常でいつしか忘れてしまったものや、
心の奥底にしまい込んだ大切な記憶を、
ふとしたきっかけで思い出す瞬間があります。

私の作品も誰かの大切な記憶を呼び覚ます
小さなきっかけになればいいなと思っています。

記憶の中のものは
現実にはもう失われていたり、
通り過ぎてしまっていたり、
遠く離れてしまっていたり...

そうしたものを思い出すとき、
ぎゅっと胸を締め付けられるような
切なくて苦しくて、そして甘やかな感情が生まれます。
ノスタルジーと言うのでしょうか。
私はその感覚がとても好きです。


永遠に失われた時間やものや思い出は
遠くなれば遠くなるほど
どんどん淡く霞んで美しくなっていきます。

孤独や喪失の先にある、切なくて甘美な感覚--。
私は、その美しさを描きたいと思っています。


最近は、その時々の願いや祈りを込めて描いたりもしています。

なぜ水彩画なのか

中学生の頃から大人になるまで、私は油絵やアクリル画が好きで、
水彩画はむしろ苦手でした。

メディウムを重ねた厚みのあるテクスチャ表現が好みで、
「淡く儚い水彩画」という当時のイメージにはほとんど興味がありませんでした。

失敗したら描き直せないという緊張感も性に合わず、
水彩は自分には向いていないと思っていたのです。

まさか将来、水彩画を主軸に制作することになるとは夢にも思っていませんでした。

その思い込みを大きく変えたのが、
2013年に出会った永山裕子先生の画集『透明水彩〈2〉“Infinité”』でした。

書店で偶然目にした瞬間、まさに雷に打たれたような衝撃を受け、
「水彩画はこんなにも自由で力強く、美しいものだったのか」と価値観が一変しました。

すぐに画集を購入し調べてみると、
ちょうど地元の名古屋で個展が開催されることを知り、
会場で永山先生ご本人と初めてお会いしました。

作品だけでなくそのお人柄にも強く心を打たれ、
そこから本格的に水彩画の世界へ足を踏み入れました。

道具をそろえ、本やDVDで学び、
永山先生の個展やデモンストレーションにも通い続ける日々が数年続きました。

しかし結婚・出産を経て環境が変わり、次第に先生のもとへ通うことが難しくなり、

同時に、
「いつまでも誰かの作風を追いかけるのではなく、自分自身の表現を見つけなければならない」
という思いが強くなっていきました。

現在は国内外のさまざまなアーティストから学びながら、
自分だけの表現を模索しています。

いわば“守破離”でいう「破」の途中にいる段階ですが、
誰かの心に静かに深く響き、人生の一瞬に寄り添えるような作品を目指して、制作を続けています。

なぜ薔薇なのか

幼いころから、南の島で生まれ育ち波だけを描き続ける画家や
、山の麓で同じ山を毎日描く画家に憧れていました。

けれど私が海を描いても山を描いても、
どこかに自分らしくない“ニセモノ感”が残ってしまう。

皮膚の下に波の音が流れている人や、瞳の中に稜線を刻み続けてきた人と同じ絵は、
どうしても描けないのだと気づきました。

「私の血や肉から生まれてくるような絵が描きたい」

そう考えたとき、ずっと人生に寄り添ってくれていた存在が薔薇でした。

子どもの頃の遊び場は、薔薇がたくさん植えられた公園。

棘に引っかかりながら遊び、気づけば大人になってからも描き、
育て続けてきたのはいつも薔薇でした。

私にとって最も身近で、最も自然なモチーフだったのです。

人の手と愛情がなければ育たない繊細さ。

物語の中では祈りや呪い、希望や欲望の象徴となる多面性。

数日で散ってしまう儚さと、挿し木で何百年も受け継がれていく永続性。

自然物でありながら、人の手によって形づくられてきた人工的な側面――。

そのすべてを抱え込む薔薇は、
私のさまざまな感情を受け止めてくれる、かけがえのない存在です。

そして何より、薔薇を描くことそのものが好きです。

何百枚、何千枚と描いても飽きることがありません。

作者について

宮町 ゆき (Yuki Miyamachi )

水彩画家。
メーカーでのデザイナー歴10年を経て、

主に薔薇をモチーフに水彩画を描いています。

薔薇の愛好家で、
小さな半日陰の庭で試行錯誤をしながら薔薇を育てています。

受賞歴

・Fabriano in Acquarello 2026 入選